電気流速計の解説
試験結果には表れない実質精度を追求
経産省管轄下のセレス試験場や国交省管轄下の土木研究所では、静水の150~170m前後の細長いプールに駆動車をまたがらせ、その下部に流速計を固定して釣り下げ、駆動車のスピードと流速計の表示が一致するかどうかで精度の試験を致します。従ってプロペラ機ならその回転数が、また、電磁式ならその流速の捕らえ方が正しければ、スペック上は同一性能ということになります。しかし、実際のフィールドでは人間が手に持って計測をします。しかも、川の流れは滞留水域もあれば、斜流域、湧き上がりと様々なうえ、流れの方向も一定とは言えません。そうした環境下にあって、手に持つという不安定な計測下でも、極めて試験状況に近い状態に正対した姿勢を保つ工夫が凝らされた機器でなければ、正しい流速は測れないことになります。機器が不安定に振らついた状態のままでも、流速数値は出てきます。試験が通っているからといって、その数値をそのまま客先のクライアントに提出していいのかどうかは、メーカ、そして測定業者の考え方なのかも知れません。一口に言えば、ここが、机上の理論から生まれた後発メーカの流速計と、徹底的にフィールドを研究し尽くし、実質精度にこだわったDENTAN機器の大きな違いと言えましょう。
他社製品との特性比較 [CM-1BNシリーズ]
流れを正確に捕らえ、無理なくスルー!
DENTAN製のプロペラ式流速計は、図1のように、回転軸にサファイヤの平石とリングを噛ませ、経年磨耗による本体軸への影響を極限まで回避している。この結果、本体は温存でき、人工サファイヤの平石とリングの交換で済むため、永年の使用者が多い。また、図2のような細かい工夫が施され、故障を回避。丈夫で長もちをする構造となっている。
支点を前にした意味
DENTAN製は支点がセンサの直後、全体で見るとかなり前方にあるため、プロペラ部分はほとんど上下左右の揺れがない。従って流れをほとんどそのままキャッチできる。
特異の形状と、電圧による流速表示
プロペラの形状に注目
3D曲線の織り成す独特のスパイラルなスルーレートの効いたプロペラ形状が、DENTANのプロペラ式流速計の最大の特徴といえます。この独自の曲線は、金型を造ろうにも真似が出来ないほど、精巧、かつ理にかなった形。現に当社製品を真似た後発メーカも、この形状だけはコピーできなかった代物。水流を無理なく受け止め、滑らかに乱さずに後方へ押しやるスルーレートが、あらゆる流れの、正確な流速を掴むばかりか、流れくる浮遊物も自然に送り出すため、ゴミが引っ掛かるトラブルも少ないのです。他社製品のような水の抵抗をそのまま受け止める普通形状のプロペラとは、設計思想が違っているのです。
回転数ではなく電圧で
当社の電気流速計は、流速を捕らえたプロペラの回転が、プロペラ側についたマグネットで軸側に付けられたジェネレータを回し、その電圧を流速値として表し直読するシステム。他社製品の場合は、回転数をそのまま表示したりブザー音にかえて数を数える古式なものから、プロペラのマグネットと軸側の磁気抵抗素子の回転時にONする、パルスを演算して流速表示するスタイルです。
DENTAN製は流速を電圧に変換して表示するため、一定箇所でも様々に変化する流速値を克明な曲線カーブで表示。流速変化が直読ができる、大きな特徴を持っています。
DENTAN製電気流速計
流速をすみやかに捕らえ無駄な抵抗を減らし、後方へと流す空力理論に基づいた3Dスパイラル曲線形状のプロペラ。音を立てずに回す魚雷のスクリューに似た形だ。
一般的プロペラ式流速計
水流を抵抗として捕らえ、その力でプロペラを回す扇風機型。通常のプロペラ型では、前方に押し戻す水流を生みやすく、様々に変化する流れの中で、不安定なポータブル測定では、正確な数値が取りにくい。